最期に「ピザ食べたい!それもビッグベアーズを」と言われるまで
北九州地域を中心に22店舗で宅配ピザチェーンを展開するビッグベアーズピザ。業界に先駆けた紙製容器や陶器へのデポジット制導入等が評価され、平成20年度福岡県循環型社会形成推進功労者知事表彰を受賞。受賞にいたる活動と宅配サービスならではの地域密着サービスについて魚本社長に伺いました。(以下敬称略)
魚本 法一さん
株式会社ビッグベアーズフーヅサービス 代表取締役
社団法人 北九州中小企業経営者協会 理事/にぎわいづくり委員会 委員長
福岡ソフトバンクホークス 柴原 洋外野手 北雄後援会 会長
インデックス
大きなピザ屋にできないこと、
私たちにできること
寿・福岡県循環型社会形成推進功労者知事表彰の受賞おめでとうございます。評価された活動をお教えください。
魚本・ありがとうございます。
企業として社会貢献は創業当初から取り組み続けています。それらの中から環境保全活動をキーワードにアピールの整備をしたら賞をいただいたというのが実際です。宅配ピザ容器回収は、焼カレーやドリアなどのアルミ皿を陶器容器での提供に替えて50円、ピザ箱は10円のデポジット制。陶器は消毒して再利用、ピザ箱はリサイクル。宅配を活かして古新聞・古雑誌の回収サービスも提供しています。
寿・環境保全だけでなく地域密着型の活動も幅広くされていますね。
魚本・2006年1月から地元警察や自治会の会長さんと協力して「年中無休!ピザ屋さんの街角パトロール隊」を、自治体と連携して北九州市保健福祉局 いのちをづなぐネットワークの活動を行なっています。宅配途中で見かける不審者の通報やポストから新聞などが溢れる御宅、痴呆症などによる徘徊、地域住民から助けを求められた場合などといった情報提供で、地域福祉ネットワークの充実・強化の一環です。私たちにできること、危険の可能性を未然に防ぐお手伝いをしたい、そういった活動です。セキュリティ以外にも、「海と大地のコンサート」や「出張!手作りピザ教室」などの食育活動も行なっています。
寿・では、意地悪な質問。ピザといえばマンションのポスティングのチラシを真っ先にイメージしますが、これを環境保全との逆行と問われたら?
魚本・撒きますね。それがゴミとして散乱する現状も認識しています。そこで発想です。私たちのお客様情報は約20万人のファミリー層が中心。小さなお子様や二世帯家族、新築の家を建てたりローンなど、消費を促す活発な層でもあります。この層が求める情報≒この層を求める企業とのタイアップでダイレクトメールへの切り替えに挑戦しています。コストは十倍以上も掛かる。チーズ嫌い、洋食嫌い、ピザ嫌い、一人暮し、お年寄りといった方々にこのメニューは不要な場合が多いだろう。それでもダイレクトメールを依頼するお客様は確実にいらっしゃる。配布メニューのコストに相応の価値が見出せる。こうなるとマンションのゴミ箱に捨てられない。こういった根拠を積み上げる努力が企業には必要だと思っています。
寿・こうした活動でもっとも効果があるものとは?
魚本・効果が見返りを指すなら、それは望んでいません。敢えて言うなら、皆様が集うとき、ビッグベアーズのピザを囲んでいただければ嬉しい。
そして、こうした活動は一度始めたもので打ち切ったものはありません。言いかえると切る必要のない活動しか実施していない。大企業の3R活動などは戦略で効果測定と見直しをする面があるでしょうけれど、地元を見つめるとそうばかりはやっていられない。かといって、ボランティアだけを売るわけにもいかない。
何より、私たちの仕事が多くの人に喜ばれるためには、双方に対価以外の”喜び”がないと。私でいうなら例えばピザ箱。これは私の発案!なぜ六角形か。四角のほうが安いのは間違いない。でもピザを少しでも美しいまま届けることができる。この開け方も私が考えた。問題があるたびに解決する”楽しみ”もたくさんあるのですよ。
選んでいただく理由を考える
寿・全国区、全世界区級の企業との競争は大変だろうと想像します。
魚本・大変です。それでも25年間、選ばれ続けた理由を考えています。他社さんと違って小さなピザ屋なので、ビッグベアーズを選んでくれる根拠を生み続けなければ市場で生き残れない。食育活動にはもう一つのメリットがあって、未来のお客様を育てること。活動そのものはビッグベアーズに直接的な黒字をもたらしませんが、10年20年といった視点で考えたとき、高校~大学に成長して自らビッグベアーズを選んでくれたら嬉しい。
私は昔からたこ焼きが好きでね。小学生の時に、私の死に際にはたこ焼きを、死んだらお墓にたこ焼きを飾って欲しいと本気で望んでいたの(笑)。今の子供たちにそう思ってもらいたい。最期に「ピザ食べたい!それもビッグベアーズを」そう言われるまで頑張りたい。
まずは皆様に喜ばれること、「自分で作った」という体験が子供達の中に残ること。ああピザが食べたい、その感覚が根付いてくれるためのきっかけづくり。私たちのキーワードの一つ「子供たちの未来」、子供たちに投資する原点はそこにあります。
寿・魚本社長は創業25年を迎える一代目でいらっしゃいます。どういったきっかけでピザ屋さんを?
魚本・兄弟に調理に長けたヤツがいてね、30年ほどの前に兄弟四人でピザ、スパゲティ、バーガーなどをメニューにしたのをお店ごと作ったのが最初。綿密さがなくてうまくいかなかったのだけど、もう一度やろうと頑張ったのがビッグベアーズです。
宅配ピザというものが認知されていなかった時代、より多くの人に食べていただくためにはピザがどういうものであるかを地域の人に伝えなければならない。とはいえ、「美味しいよ!」「ピザ!ピザ!ピザ!」では売れない。どういったシーンで食べるものか、雰囲気を提供することからスタートする必要がありました。先ほどの「海と大地のコンサート」や「出張!手作りピザ教室」などもその一環。こういった積み重ねが地域密着や貢献活動に向かったのではないかな。
寿・地域密着といえば、福岡ソフトバンクホークスの柴原 洋外野手の後援会の会長もされていますね。
魚本・柴原選手は高校の後輩です。高校の同窓会と後援会が一体化していて、同校の春の高校バレーなども地域で盛り上げて行こうと頑張っています。
北九州で生活をして、この町を好きになって・・・といった想いは皆にあると思うの。私が食べていけるのは北九州のおかげ。この町にお返しをするためにもギブ&テイクのキャッチボールは不可欠。企業としても地域とのパイプが1wayから2wayに太くなるのは嬉しいことです。
北九州ファッション協会について
魚本・毎年恒例のクリスマス・フォーマル・ワイン・パーティーはお奨めです。ファッション性の高いシーン、ファッション性の高い大人たち、そういったシチュエーションは北九州にはなかなかないので私自身も興味を持っていました。あのために礼服を作ったほどですよ(笑)。
ワインパーティは去年末で十周年。いい区切りとして徹底的な社交場に育てていい。同時に、ドレスコード不要、数百万円のワインではなく数百円のビールといったライトなものも新設してもいいですよね。夏場にファッションショーなど兼ねて肩に力の入らないスタイル。女性もイヴニングドレスではなくてムームーや浴衣など素敵でしょうね。
ファッションというジャンルは幅が非常に広いから、皆様にしっかり認知いただく方針づくりを集中的に打ち出す必要がありますね。例えばドイツの車が売れるのは政府が購買支援をしているから、そういった下地を作りたい。例えば呉服屋のバックアップとかね、夏場のビアパーティなどで後押しが可能だと思う。例えば地元の服飾系の学生を選抜して海外に勉強に行かせようといった試みもいいでしょう。地場から海外まで全てのファッションを網羅するのは現実的には難しく、活動範囲も一時的に不公平になるのは仕方がありませんが、こういったアプローチで地域に貢献していく姿勢にも力を入れていきたいですね。
―ありがとうございました。
カメラ:北九州商工会議所 まちづくり推進課 三好 伸広
聞き手・文責:KANA & CO. 寿 桜子
![k-fa.org[ケイファ.オルグ]北九州ファッション協会](http://k-fa.org/wp/wp-content/themes/kfa/images/rogo2.gif)





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