北九州ファッション協会
20周年から新たな10年を目指して─
平成元年に設立され、20周年を数えた北九州ファッション協会。特に対外的な活動が活発になってきた平成10年頃から、「衣・食・住・遊・環境・健康」をキーワードにしたさまざまな協会事業が展開されてきました。その協会に専務理事として10年以上関わってきた池浦博文さんに、節目の年を越えてこれからのファション協会が目指す方向性などを語っていただきました。
(以下敬称略)
ROBIN|S 代表取締役社長
北九州ファッション協会専務理事
池浦 博文さん
http://robin-s.com/
◎ROBIN|S
北九州市小倉北区船場町5-16
TEL: 093-521-6676/FAX; 093-511-1888
<Profile>
1953年北九州市生まれ。小倉高校受験失敗を機に渡米。
カリフォルニア公立ヴァレンシア高校からカリフォルニア州立大学フルトン校へ。
卒業後ハリウッドでカメラマンをしながらコマーシャルプロダクションに勤務。
2年後独立し「HIRO PRODUCTIONS」を開設。渡米から11年後に帰郷。
現在(有)マダムロビン代表取締役。
10年前とは猛烈なスピードで
時代が変わっている。
これから先の10年をどうするか─。
重岡・池浦さんが北九州ファッション協会に関わられて10年以上。この間、さまざまな協会イベントを企画され、恒例イベントとして定着してきたものも多いですね。
池浦・そうですね。1999年から開催している「北九州リバーアスロン」、2000年から開催している高齢者・障害者のための「ユニバーサルファッションミュージアム」、協会員交流の場としてフォーマルウエアをドレスコードにした「フォーマルワインパーティ」、北九州発のファッション情報誌「REAL(リアル)」の創刊など、振り返ってみるといろいろやってきましたね。今でこそ、健康や環境がキーワードになる時代ですが、我々としては10年前から衣・食・住・遊・環境・健康産業の分野で、「ファッションを切り口にした生活文化の向上を目指す」ということを目標にやってきたわけですから…。
重岡・常に時代の一歩先を切り取ってきた、と言えますね。
池浦・そうありたいと取り組んできました。しかしですね、10年ひと昔と言いますが、10年前と今現在では、やはり時代が猛烈に変わってきている。景気や市場はもちろんですが、人々の嗜好や考え方も、日々ものすごいスピードで変わっているわけです。そんな中で、これから先の10年も同じ事をのんべんだらりとやっていていいのか。もっと違うことをした方がいいんじゃないか、という想いがあります。
重岡・2009年はオバマ大統領の誕生や国内でも政権交代などで「Change(変化)」がキーワードになりましたしね。
池浦・そうそう。時代も変わってきている。その流れの中で、北九州ファッション協会も変化というか、進化というか、何らかの動きが必要なのではと感じています。私自身の立ち位置としても、どこかの政界の誰かのように君臨するつもりも毛頭ないので(笑)。これからの10年を担う人材や協会としての組織・仕組みづくりをしていく、今がちょうどよい「Chance(好機)」だと思いますね。
20周年記念事業のフィナーレは、
「北九州ファッションプロムナード」。
重岡・20周年を機にスタートした事業もありましたね。
池浦・そうですね。このホームページの開設も20周年に向けての一つの事業でしたし、昨年8月には地元のコミュニティFM [FM KITAQ]で、北九州ファッション協会提供の1時間番組をスタートしました。今年の3月5〜7日にかけては、20周年記念事業のフィナーレを飾る「北九州ファッションプロムナード2010(http://k-fa.org/fashion/report/847)
」を小倉井筒屋・新館9階パステルホールで開催する予定です。北九州在住のイラストレーターでありグラフィックデザイナーでもある黒田征太郎さん(http://www.k-3.co.jp/)とコラボレーションしたイベントも企画しています。
重岡・具体的にはどんなイベントになりそうですか?
池浦・以前、黒田征太郎さんと話したところから生まれた企画です。黒田さんが小倉に来られてから描いた作品群を展示する予定です。5〜7日は、地元百貨店である井筒屋さんと我々北九州市近郊のファッション専門店が一堂に会したファッションの祭典とでも言いましょうか。「ファッションプロムナード」というネーミングは、我々協会の重渕会長のアイデアなんですが、ファッションの散歩道ですからね。北九州らしいさまざまなファッション関連の提案をしたいと考えています。また、多くの人々にぶらり散歩気分で立ち寄っていただけるようなイベントにしたいですね。
重岡・市内だけでなく市外からもたくさんの方に来てもらいたいですね。
池浦・私が子どもの頃は、下関や山口、博多からも小倉に遊びに来る。商業でも小倉が一番だったんですよ。ところが北九州が工業の方に力を入れ始めて、いつの間にか商業の中心は博多という位置づけになってしまった。その流れか、北九州の商工会議所は、どちらかというと工業会議所的な匂いが強いんですよね。もちろん工業も大切です。ですが、これからの時代、北九州がより発展していくためには、卸売・小売業やサービス業などに代表される第三次産業が遅れを取り戻さなければ…。北九州ファッション協会には、その第三次産業をバックアップして、盛り上げていくという役割もあると思っています。
「もっと楽しめるまち」に
北九州がなるためには?
重岡・今のお話にもありましたが、北九州ファッション協会の役割について、池浦さんはどう思われますか?
池浦・分かりやすく言うと、一つはファッション関連産業など、北九州の商業がより栄えていくような仕組みを作り上げていくこと。もう一つは、北九州が「もっと楽しめるまち」になるようなアクションを起こしていくこと。たとえば、リバーアスロンなどのイベントを企画・運営していくことも、その役割を担うための一つの手法ですよね。このような市内外からの人々に広く参加してもらえるような企画をしていくことは、これまでの10年の一つの目標でもありました。手前味噌な話かもしれませんが、北九州ファッション協会は、西日本地域で最も活動が活発な協会だと、日本ファッション協会(http://www.japanfashion.or.jp/)にも認めていただいているんですよ。また、日本と中国と韓国の3カ国のファッション協会によって2003年に発足した「アジアファッション連合会(http://www.japanfashion.or.jp/international/aff/info.html)」の交流事業などにも、国内でアジアに一番近い協会として参加しています。昨年はベトナムで行われた「第6回アジアファッション連合会 ベトナム・ハノイ大会」に出席しました。(http://blog.robins.shop-pro.jp/?cid=17193)これは毎年1回、加盟国を舞台に行われているんですが、その国の若手デザイナーのファッションショーが行われたり、商業のあり方を視察したりするので、視野が広がり新たな勉強になりますよ。今年も秋頃に開催される予定ですから、興味のある方はぜひ参加されてみては?事前告知されると思いますが、当協会会員の方には協会から参加援助金も少し出ますので。
重岡・北九州ファッション協会は、日本ファッション協会やアジアファッション連合ともつながっているんですか?
池浦・そうです。ですから、「北九州のまちを楽しく」という趣旨のイベントや企画をする上では、日本ファッション協会やアジアファッション連合を巻き込むような、視野の広い展開をすることも可能だと思います。
重岡・なるほど。北九州から東京へ、アジアへと世界がグンと広がりますね。
池浦・そうですね。地域企業および北九州人が世界へ飛び出していくのは必然とも言えますし、グローバルな考え方を持つことも、今の時代、当たり前だと思います。ただね、最近気になっているのは、これからは「マス」の時代じゃないのでは、ということなんですよ。
大きなホームランを狙うのではなく、
小さなヒットをたくさん打つ時代。
重岡・これからの時代の動向について、どう捉えていらっしゃいますか?
池浦・特にこの低成長の時代には、たとえるなら、大きなホームランを狙うのではなく、小さなヒットをたくさん打っていく時代。100人単位の集客のイベントよりも、5〜10人くらいを対象にした少数イベントを繰り返すことで、新たな時代の流れや価値観、人と人とのより深い絆が生まれる時代になるのでは、と感じています。つまり、大人数で群れてワーッと盛り上がるのが良しとされた時代から、今は特に、少人数で濃密な時間を過ごすことに意義を感じる時代になっている。─そんな時代の流れを読みつつ、この数年は変化対応していくことが大切だと思います。
重岡・そんな時代の動向を受けて、池浦さんご自身の企業経営については、どうお考えですか?
池浦・小さなヒットをたくさん打っていこうよ、ということは、弊社でもよく言うことなんです。たとえば、店にカフェを併設してゆっくりお茶を飲めるようにするとか。店の2階のスペースを使って、少人数を対象にしたヨガ教室やワイン教室などプチカルチャーセンター的なことを始めたらどうだろうとか。先ほども言ったように、今はホームランは出にくい時代。だったら小刻みなヒットをたくさん打って、会社や個人を進化・成長させていくことが寛容かと思います。今は「欲する」より「与える」の時代ではないかと思う。
これは私なりの「ダーウインの進化論」です。タイソウなことよりもグズグズと動く。弊社の様な零細企業には、大きな資金や多くの人材はありません。ましてや今の時代、無謀なことはできない。しかし進化し続けなければ、時代や顧客から取り残される。「ようし!それならピリッとしたヒットを一杯打っていこう!ロビンズはいつも何かしていて、面白そうだぞ!」という企業となりたいと思っています。先ほどの教室等では大きな収益を取る事は無理です、しかしお客様をロビンズのほうへ、良い意味で「そそのかす」という意味では「価値大」だと思います。また、昨年から始めたインターネット(http://robin-s.com/)も、私たちが考えている企画やビジネスなどの多くの情報を顧客や取引先に提案できる大切なツールと位置づけています。
実はこの考え方は、北九州ファッション協会のこれからの10年、近未来を考えた場合にも当てはまるのでは、と思っているんです。
ファッション協会にも、
新たな進化が求められる時代では?
重岡・これからの10年を考えると、ファッション協会にも新たな進化が求められている、ということでしょうか?
池浦・はい、そうなんです。他社の引用で申し訳ないですが、取引先のメーカーさんでね、一つのブランドの売上が10億円になったら、そのブランドをわざと解体するところがあるんですよ。マンネリ化するからと言って。これって売上げも一時期落ちるし、大変なことなんですよね。でも、それをずっとやり続けているから、そのメーカーは進化・成長し続けている。これも大きなホームランを打って肥満化していくのではなく、わざとヒットにしてその時代にあった会社の生き方・ブランドの生き方を顧客や取引先に明確にしていく手法の一つだと思います。
私たちの協会も、10年毎に「ぶっ潰して、考え直す」くらいの気持ちで、従来からの意義とテーマを見つめなおしていかないと。現在、そして今後の人の動きや考え方・街の動きを見極めて、協会としてのポジションを再考しながら、進化・成長していかなければ、と思います。これは、従来から実施している企画や作業を停止するという意味ではないのですが、ボランティアを中心とした活動には無理があるかもしれない。会員企業や会員には、現在それ以上にやらなければならないことがあるかもしれない。だったら、協会のスタンスは?今後の活動の考え方は?などなどを考えて、理事会や協会外のブレーンと話し合っていきたいと思っています。幸いにも協会には各方面で非常に長けている方々がいらっしゃいます。皆さん、現役で頑張っていらっしゃる第一線の方々なので時間がないのは重々承知しておりますが、次の10年間はそういう方々にどしどし引っ張っていっていただきたいとも思っています。
楽しい一年に
したいですね。
重岡・池浦さんは今年57歳になられたとのこと。人生を7年周期で読み解く「バイオグラフィーワーク」という観点では、49〜56歳が「本質へと向かう創造性の時代」。56〜63歳が自らの「本質の時代」と言われます。今振り返ってみて、本質に向かってきたな、と思われますか? そして、池浦さんにとって「本質」とは?
池浦・振り返ってみると、ファッション協会に関わってきた10年間は、自分の会社としてはものすごく大変な時期だったんですよね。苦しい時でもあったし。それでも協会に関わる中で、いろいろな経験を積ませてもらったし、多くの人々に出会い、人脈も広がったのは、ある意味自分にとって大きな財産になったと思います。56歳までに創造してきた「人脈」をベースに、これからどう動いていくのか。それが自分にとっての「本質」になるのか。今まだようやく入口に差し掛かったところかもしれませんね。
重岡・ご自身の生き方として、2010年はどんな年にしていきたいですか?
池浦・2010年は、とにかく楽しい一年にしたいですね。何事もプラス指向!チョットやソットの失敗や不安は誰にでもあること!負けません!くじけません!まずは色々な考えをドシドシ展開してみて「どうなのよ!?」ですよ、この一年は!!! よろしく!!!
重岡・今日はいろんなお話をありがとうございました。
池浦・ありがとうございます! 重岡さんにとっても、良い年になりますように!互いに刺激しあいましょう!
■ROBIN|S
http://robin-s.com/
■カメラ:北九州商工会議所 商業観光課 三好 伸広
■聞き手・文責:Brain Child 重岡 美千代
![k-fa.org[ケイファ.オルグ]北九州ファッション協会](http://k-fa.org/wp/wp-content/themes/kfa/images/rogo2.gif)












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